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障害年金と所得制限について(2021/10/6)


 障害年金を受給しながら働くことは可能でしょうか?という質問に対しての答えは「イエス」です。障害厚生年金の等級には3級が用意されていますが、この等級に該当する障害の状態には、たとえば、人工骨頭・人工関節の置換が該当します。障害年金3級に該当する障害の状態とは、「労働が著しい制限を受ける」状態であり、著しい制限を受ける状態は日常生活ではありません。

 さらに一歩踏み込んで、障害年金を受給しながら就労した場合は、所得に制限はないのかというとそうではなく、原因となった傷病が、20歳前かどうかが切り分けるポイントになります。結論から言うと、20歳前の傷病には、所得制限があります(下図参照)。では、20歳前傷病とはどういったものでしょうか。成人する前に既に傷病の状態にあったことを意味しますので、たとえば、精神遅滞による知的障害がこれに該当します。20歳前障害に該当した場合、成人後には障害基礎年金の受給資格を自動的に得られるのですが、背景には、この障害がなければ、成人後に60歳まで年金を納付したであろうという年金制度特有の考え方があります。

 通常、障害年金の受給要件の一つに納付要件があるのですが、20歳前障害では年金の納付実績がないため、年金の納付実績のある人との公平性を考えて、所得制限が設けられています。翻って言えば、成人後の傷病が原因の障害年金受給者には所得制限はありません。

 令和3年8月から20歳前の障害基礎年金について、所得の支給制限を行う際の所得額の切替時期(支給サイクル)が、「8月~翌年7月」から「10月~翌年9月」に変更されています。




障害基礎年金の所得による支給制限のしくみの図